家に現れたイケメンはカッパ…?

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家に現れたイケメンはカッパ…?

「はぁぁぁ…」 家についた瞬間私は玄関のマットに倒れ込んだ。 『こんな夜中まで連れ回すなんて部長もどうかしてるんじゃないの!?』 「そんなところで寝てると風邪引きますよ?」 「うるさ…え?」 唐突な頭上からの声にそのまま返事をしそうになって慌てて顔をあげる。 そこには少し浅黒い肌をした容姿端麗な男性が立っていた。 「き、きゃぁぁぁぁぁぁあ!!!!?????」 男性は耳を押さえて言った。 「ご近所さんにご迷惑ですよー!」 「あんたがうちに迷惑かけてるの!!」 そう言って私は靴を足にかけるとドアの取手を後ろ手で確保する。 「あんた誰!?何でここにいるの?」 「僕はカッパです。 人間の女性と婚約を結べということで人間界にやってきました。」 「か、かっぱ!?婚約!?人間界!?」 私は相手の意味不明な解答に度肝を抜かれた。 「そうです。あなたは僕の婚約者です。」 「え、あの、ちょっ私っ!」 「反論は許しません」 「いや、あのね!?まずあなた人間でしょ?」 「これは人間の姿に変化しているだけです。」 カッパ(?)はそう言うと一回転した。 ポワワワンと奇妙な音がして、その周りからもくもくと煙が上がる。 「ちょっ…煙が目にっ」 目に煙が入り、涙が出てきた。ハンカチで拭き、パタパタと手で仰ぐ。 煙が無くなった頃に二人はお互いの姿を見て叫んだ。 「河童だっ!!!???」 「あなた男だったんですか!?」 私は玄関に置かれた鏡で自分をみた。 そこには先ほどの綺麗な自分とは売って変わり、 化粧の落ちた男がこちらを見ていた。
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