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「ん…、」
眩しさに目を薄っすらと開ければ、カーテンの僅かな隙間から差し込む光が朝になった事を知らせていた。
むくりと身体を起こすと下半身にズシ、と重い感覚が走る。
次いで自分に視線を落とせば衣類を何も身に着けていない状態だった。
それらの全てが昨晩の情事を想起させるものでしかなく、ジワリと頬が熱くなったのも束の間。
隣に寝ていたはずの瞬の姿がどこにも見当たらなく、どこに行ったのかと不思議に思うよりも先に寂しさを感じていた、その時。
「起きた?」
「っ、」
ガチャリとドアが開く音と共に部屋に響いた低い声。
弾かれたように視線を向ければ、ドアの隙間からひょこりと顔を覗かせている瞬と目がかち合った。
「身体どんな感じ?」
ドアを開けて中に入ってきながらそう尋ねてくる瞬の首にはタオルが掛けられていた。それに加えてまだ水気を帯びる髪を見てもシャワーを浴びていた事は確実だろう。
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