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俺が部屋に引きこもって何年、いや何十年になるだろうか?
学校で俺はいじめに遭った。
毎日、
クラスぐるみで殴られ蹴られ、
罵倒され、
無視され、
持ち物は悉く破壊され、
汚物を飲まされ、
遂にはクラスから追放されるように、退学した。
それから俺は、他人が、社会が、この世の中が怖くなり、家の俺の部屋から1歩も出られなくなってしまった。
もう、誰とも逢いたくない。
誰の顔も見たくない。
誰とも関わりたない。
と、テレビとラジオとパソコンと乱雑に積み上がった訳の解らない物だけの薄暗い部屋で、ずーーーーーーーーーっと。
10代で1人きりで籠って、気づけば既に40歳近くになっていた。
他の世代は既に結婚子持ちになってるだろうが、俺には関係が無い。
俺にはここが1番だ。
ここが1番落ち着く。
誰も1歩もこの部屋には侵入してはならない。
ここが、俺の聖域。
親は、扉の前で食い物と頼んだ漫画雑誌を置けば良い。
ここで生き続けて、
ここで死ぬ。
誰にも邪魔されずに。
トントントン!!
トントントン!!
「アキラ!出ておいで!!何時まで此処に居るの?!」
「アキラ!いい加減にしろ!!父さん母さんを何時までも心配させないでくれ!!」
またか。
うるせぇんだよ!!ジジイーーー!!ババアーーーー!!ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!と叫んで、俺はドアを思い切りドン!!と蹴飛ばす。
また老いた両親の俺をここから出そうと催促だ。
しつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこい!!
俺は此処から出ない!!
死ぬまで出ない!!
もういい加減にしてくれ!!!!!!
俺には心を許す奴なんて誰もいない。
この両親でさえだ。
俺のこの部屋に、『あいつ』が来るまでは・・・
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