冷たい手

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「こんな私ですが、よろしくお願いします。  優吏さん大丈夫です。  寒くて手が冷たいけれど、私は生きています。」 と陽乃さんは、少し涙を浮かべながらプロポーズを受け入れてくれた。 僕はとてもほっとして陽乃さんの体を抱きしめると、陽乃さんの体はほんのりと温かかった。 その時、 (優吏、私の分まで幸せになってね!) と僕は誰かに語りかけられたけれど、その声は奏海の声のように感じた。 僕は陽乃さんに、 「今奏海から、私の分まで幸せになってほしいと言われたような気がするよ!」 と正直に話した。 「奏海との思い出が忘れられない僕だけれど、陽乃さんはそれでもいいのかな?」 すると僕の話に陽乃さんが、 「過去は消せません。  奏海さんとの思い出を無理に忘れる必要はないですよ!  奏海さんとの思い出も大切にしてください。  でも私との思い出も、これからいっぱい作ってくださいね!」 と温かい言葉をかけてくれた。 この日の陽乃さんと僕は、明るい2人の将来について語り合った。 まるで時間が止まったかのように、2人の時間は終わることなく永遠に続いた。
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