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大変だー!
いやもう、大変だ! あたしゃどうしたらいいんだ。この毒妹日記のコンセプトに全く関係ない、大変な出来事が起きてしまった!
悪い話ではないです。3ババの話でも、鷹娘の話でもない。
こんなことが、あたし毒妹の人生にあるなんて、思ってもみなかったって話。
だって、五十歳代後半、小太り三段バラで、正直「ブス」のカテゴリーに入る目鼻立ちも地味な、化粧どころか肌のお手入れもさぼってて、ファッションだって安くて悪目立ちしないがモットーの、怠け者のダッサいおばちゃんがだよーー。
それが!
……好きだって告白されてしまった。旅先で。人の妻だとわかっているけど、好きだって……!
ぎゃあああああ
ぐええええええ
なんで!? どうしたらいいの? ってか、どしたらいいかはわかってるけど。だって、あたし毒妹は、自分の夫を**夫と恥ずかしくて言えない言葉で愛しちゃってる人妻ですから。うわっ愛って言っちゃった。
いや、相手はホストではないですよ。金銭も要求されておりません。その人は旅先でお世話になってる、同世代の男性、離婚歴あり。離婚前から知ってる二十年以上の友人。
彼はちょっとシャイだけどサービス精神旺盛な楽しい人で、男女問わずみんなに頼りにされる、人気のある人。良く現地で合流していたおしゃれな女友達はどうやら告白して玉砕したらしいって話を聞いた、しかも他にファンの人がいるっぽい。あたし毒妹も彼のことは大好きだし、話したり一緒にいたいと思ってる。そんな彼だが離婚後浮いた話を聞かないので、ホントはゲイじゃないかとちょっと思ってた。
でも、だよ!?
好きって、ナニーーーーー!!!?
(落ち着けアタシ……)
最初、お酒飲みながら好きって言われた時はまったく冗談だと思ってた。ってか、よく冗談言う人だし。
そんでありがとー とか酔っ払いらしくあしらってたら、人のいないところで、ぎゅーってハグされちゃったのさ。そんで言われたのさ。
好きだって!
たいへんだー! たいへんだー!
はい、あたしも好きです。(でももっと好きな人がいるんですけど。)
リゾラバって言うけど、こーゆーときはちゅーくらいするんかなーとか思ったけど、無理でした。好きでも無理。(もっと好きな人がいるから。)
彼も、無理強いはしなかった。たぶん、言葉で言っても信じてもらえなかったから、ハグで示したんだろうな。気持ちを伝えたかったのかもしれない。ほんとそうであってほしい。
彼の周りには、魅力的な人や彼のことが大好きな人がいて、子どもにも人気があって、もうあたし毒妹なんて眼中に入れてもらうのに必死だったくらいだから、ほんと想定外の出来事。もちろん、あたし毒妹の彼に対する「好き」は、友人としての「好き」。どっちかっていうと、「推し」に近い感覚。
それで、なんで好きなの? いつから好きなの? なんであたしなの? と聞きたいところだったが。でもハグ以上に発展しないよう体を離して「ごめん」って言っている時に、そんなことも聞けず……。
「好きと言ってほしかった」と落ち込む彼の、ヒゲでざらざらの顔をなでながら「好きよ。ごめん。でも好きだよ」というのが、せいいっぱいでした。
こう書いてても不思議な気持ちでいっぱい。なんであたし? なんで今?!
ぎゃあああああ。
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