ヒーロー随筆

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映画エヴァンゲリオンが話題だ 僕はあの手の作品は岡本太郎の言っていた「小説の場合、興味本位だけで、だらだらと空しいものが多い。読んでしまって、あとに何も残らないなんて時間のムダだ」に似たものじゃないかと思う たしかにこれも太郎の言っていた「そうじゃなくて、ほんとうに新しい自身の人生観がひらく本がいい」という作品にふれたい ただ10代までなら興味本位だけの作品もいいかなと思う 僕が今「ヒーローは爆発だ」を追い求め「ヒーロー随筆」を書いているのもウルトラマン、仮面ライダー、戦隊ヒーロー、ドラゴンボール、ドラえもんといった岡本太郎や種田山頭火の作品に比べたら内容の薄いものに熱中したのが基本にある かく言う岡本太郎も幼年時代はグリム、アンデルセン、アラビアンナイト、ガリヴァー、西遊記を読んでいたのだ だが太郎は小学校高学年にはモーパッサン、トルストイ、ツルゲーネフを読み豊かな人間性を形成していった 僕も遅れたが大学に入るぐらいになると司馬遼太郎の『燃えよ剣』『花神』『この国のかたち』を読み深いものを見つけていった 中学生の時にはまだドラゴンボールと似たようなヒーロー物語を空想していたがドラゴンボールは面白いのだが心をうってくる感動が足りないと感じていた あの夢想をつきつめれば鬼滅の刃を超えるほどの漫画を描けてたんじゃないかと思う だがそうならずに僕は自分の空想を誰にも見せることなく商業作家としての腕を磨く人生は選ばなかった そして太郎の思想に導かれ山頭火のように自由なヒーローであろうとしている
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