ヒーロー随筆

8/9

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
僕が今まで夢中になった本の中で最も知名度の高い作品はどれか考えてみた やはり司馬遼太郎の『竜馬がゆく』だろうか だが読んだ当初は作中の坂本竜馬像があまり好きになれなかった アニメの『お~い!竜馬』の人間像と違う感じがしたのだ 『竜馬がゆく』の竜馬は、ぶっきらぼうで無愛想でストレートに優しさを表現できる人じゃない印象を持った 一方『お~い!竜馬』の竜馬は誰に対しても優しく愛想良くできていて、15歳の僕が『お~い!竜馬』を好きになったのは竜馬の人格に心ひかれたのも大きかった 史実においての竜馬は『お~い!竜馬』よりも『竜馬がゆく』のような人だったことはすでに知っている 中学生の僕も本当は写真を見ただけでアニメの竜馬とは別人であることを直感していた だが竜馬への憧れにひたっていたいと願ったのだろう 今は竜馬を神格化していないので逆に『竜馬がゆく』を楽しんで読めるようになった 史実との違いにすぐ気づいてしまうので少年の日のような英雄への陶酔はもうないが…
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加