第4章 何度も同じ恋をする

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2年前。 坂下を追うことも出来ずに立ち尽くす城野を現実に連れ戻したのは深月だった。 「早くゆづ君を追いかけてっ」 動けない城野に深月は重ねて言った。 「城野っ。早く」 その声で城野の中で何かがカチッと再び繋がった。 城野は走った。 やっと見つけた背中が、追いつく前に雑踏に消えてしまいそうになった時、大きなブレーキ音が聞こえた。 ざわめきの中、遠くでサイレンの音がする。それは徐々に城野のいる場所に近づいてくる。 そして音は止まった。 意識を手放す瞬間に浮かんだのは大切な人の笑顔だった。 だから城野は安心して目を閉じた。 ーーゆづ ーー愛してる
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