カタオモイ

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「例えば君の顔に昔よりシワが増えてもそれでもいいんだ」 喉の調子が悪いな… 今日あまり上手く歌えないな 「やっぱり高津くんってすごく歌がうまいんだね‼︎」 そう言って屋上に入って来たのは同じクラスの佐々木だった。 「いや、そんなに上手くないよ」 「今だって、ちょっと音程外れちゃったし…」 佐々木「私には音楽のことは詳しいことは分からないけど、高津くんの声は透き通ってて人を惹きつける声だと思うよ」 「そんなこと言うのは佐々木くらいだよ」 「ありがとう」 佐々木「何ていう曲なの?」 「カタオモイ」 「Aimerの曲だよ」 佐々木「そうなんだ!」    「その続きも聴かせて!」 「分かった」 俺は前から昼休みには屋上に来て昼食をとりながら部室からギターを持ってきて歌を歌っていた 1週間前、俺が歌っていたら佐々木が屋上に来て俺の歌を聴いたらそこから晴れの日は佐々木も屋上に来るようになった 「僕がギターを思うように弾けなくなっても心の歌は君で溢れているよ」 「俺はここら辺が一番好きなんだ」 「シワが増えてもそれでもいいってところは歳をとっても好きってことだろ?なんかそんなに一途に思えるのはカッコいいよな」 佐々木「うん!」 俺はこの時間、この場所が一番落ち着けた
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