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「絶対自分に尽くしてくれる男の方が、楽だと思うんだけど」
そう言いながら、彼女が片手でメッセージを送っている相手は、多分彼氏だろう。
この冷徹な合理主義者は、なんだかんだ殆ど男を切らしたことがない。
「でも、ファム・ファタールとは違うんだよなぁ……」
「別に私は魔性の女ではないけど。
目の前にいる男が全員、ほうけたように寄ってくるわけでもなし」
漏らしてしまった心の声を拾っても、由佳は動揺も逆上もせず、淡々とコメントを続ける。
どこかにネジでもついてるんじゃないかと、時々疑ってみたくなってしまう。
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