意外な場所での再会

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 ——あんな紹介の仕方はないと思ったけれど、悔しいことに、めちゃくちゃ面白かったです。  使えそうな過去問をねだって送ってもらった残骸が見えるメッセージ欄。  次に私が送った文章はこうだった。  試験勉強の合間や通学中に少しずつ読み進めていたのだけれど、ページを繰る手が危うく止まらなくなりそうになるところだった。  彼が言うところの「ファム・ファタール」に当たる男性の人物像が、進めば進むほど一貫性を失って、イメージが自分の頭の中でほどけていき、最後は糸屑になってしまったような気がする。  それでも、その糸屑に意味がなかったとは、全く思えない。  むしろ私たちが見失っているものが、或いは辿り着けない境地としているものが、そこには秘められているように思える。  でも、自分の馬鹿さを露呈することになりかねないし、メッセージが一々重い、と遠ざけられてしまうリスクを考えれば、こんな不可解かつ抽象的な感想をわざわざこの小さい画面に打ち込む気にはならない。  そう、思ったのに。
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