フラミンゴ色に染まった

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「てか、あんなに同じ人と毎日会ってて飽きないのかね」 「なんだかんだ週一くらいが一番落ち着くけどね」  毎日インスタのストーリーが緑色に縁取られてて、大事な投稿かと思いきや、料理の皿が二枚写ってるだけ、みたいな人種。  その美味しそうな料理は味わってみたい気がするので、せめて店名のタグはつけておいてほしい。  仮に「シングルお断り」とかのお店じゃなければ、だけど。 「そういう人々からすれば、あんたたちの文通の方がよっぽど飽き飽きしそうって思うでしょ」  私と中堂凪は——出会いが出会いだったために、どうも「先輩」とも思いにくい——試験が終わってからも、相変わらずお互いが触れて面白いと思った作品についてゆるゆる語るメッセージのやり取りを続けていた。 「ま、それはある」 「で、会わないの?」 由佳の直球の質問に、 「これだけ色々話して、どうしてそういう話にならないんだと思う?」 「知らんよ、あたし会ったことないし」  彼女は残りのアイスコーヒーを少し吸って、でも、と言った。 「ひとつ言えるのは、待てば待つほど勝算は低くなる。返信来てるうちに誘うべし、でしょ」  サクッと映画でも誘ってみなさいよ、とのこと。  いつもなら二の足を踏んでいたところだけど。  今回に至ってはなんとなく、断られない気がしていた。
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