フラミンゴ色に染まった

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 その姿勢のまま、渚ちゃんは顔だけをこちらへくるりと向けた。  なにやら面白いことを発見したぞ、と得意げな笑顔が浮かぶ。 「帆波ちゃん、今日さ、なんか浮かれてない?」  ぎくり、という擬音語が本当に発されていないか心配になるほど、それは図星の指摘だった。 「え、なんで?」 「なんかテンション高めで早口だし、スマホの方ちらちら見てるし」   「え、うーん、そうかなぁ……」  目線をそらそうと、麦茶の入ったグラスを手に取る。  中の氷が揺れ、からんからん、と涼しげで心地の良い音が鳴る。  口をつけようとしたところで、 「好きな人でもできた?」  おもむろに、動きを止めてしまう。 「アタリ、か」 「……いや、好きっていうか、なんというか……恋愛的に好きってより、その人の持っている感性とか雰囲気が好ましい、というか」  由佳に話しているときにはさらっと恋愛の枠でくくれた気持ちが、渚ちゃんの前では釈明を必要とするのは、どうしてなんだろう。
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