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「ほぼ好きじゃん」
「でも、まだほとんど直接話したことはなくて、」
そう、だから、まだ確信が持てないんです。
多分、たとえ年下であったとしても、由佳よりも渚ちゃんの方が、はるかに私のことを長く深く知っているから、変にごまかしたり、嘘ついたりするのには、抵抗がある。
けれど、なんとなく年下の子に、適当なことを話すべきではない、とも思ってしまうのは、誠意なのか意地なのか。
「どんな返信を待ってるの?」
「やー、映画に誘ってみたんだけど」
「まだ返信こない?」
「筆まめではないみたい」
ぷっと渚ちゃんが噴き出す。
何かおかしなことを言ったか。
「帆波ちゃんってさー、たまにオバサンみたいなワード使うよね。
わざと?」
「お、オバサン……⁉」
投げかけられた言葉へ対するショックに凍りついた瞬間、ブーっとスマホが鳴り、私の精神は急速解凍された。
渚ちゃんも持て余したように弛緩させていた身体を、トーストのごとく跳ね上がらせ、ずいっと画面を覗き込む。
「おっ、けー、でました……」
「よかったじゃん!
てか、ナギっていうの、この人?
あたしと名前、似てんね」
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