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「いや、何となく。両作品ともに、ファム・ファタールが登場するでしょう。
『エデンの園』とも迷ったけれど」
なるほど、自分では気がつかなかった共通項だった。
全く、大学の図書館をふらふらと漂って、聞き覚えのある名前の作家を無差別に手に取っているだけであって、その二作品が私の読書履歴に並んだのは偶然の産物だ。
けれど、それで人間性を判断されたのだとしたら、恥ずかしくて、どうにもならない。
せめてもの抗議として、
「別にそういう趣味で選んでるわけじゃ、ないですよ」
「分かってますよ、ただの連想ゲームです」
問いかけたのは私だ。彼は素直に答えたに過ぎない。
「悪趣味だとでも、思いました?」
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