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始まりの合コン
「先輩ぃ~。お願いですぅ。真子の彼に合コンのことバレちゃって、NG出ちゃったんですよ~。座ってるだけでいいですから」
涙ながらに訴える、後輩の真澄。5つ年下の彼女は、ゆるいウェーブのボブが似合う、可愛らしい女の子だ。私は30にもなって、合コンに出る気なんか、全くない。向こうさんが求めてるのは、「若い女の子」だ。
「だって、みんな真澄ちゃんの同期の女の子でしょう?私、浮いちゃうわ」
「つぐみさん、若く見えますよ」
そういう問題でもないんだけどなぁ。頼まれると断れない私がいる。こんな、うるうる瞳で迫られては・・・。
「わ、わかったわ。一次会だけね」
「わぁ~い、やっぱり、つぐみさん大好き!」
ぎゅ~っと、私に抱きついてくる真澄。もう、わんころみたいだ。
「はいはい、せっかくの真澄の一張羅がくちゃくちゃになっちゃうよ。・・・何時から?」
「7時から、です。もうすぐだから、行きましょ!」
真澄は意気揚々と私の手を引いた。
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