始まりの合コン

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合コンが始まって10分。私は、すでに後悔していた。メンバーは、5名ずつ、向こうは真澄と同じ25歳から27歳までのイケメン軍団。他のメンバーにとっては、夢みたいな合コンだったろうが、私にとっては悪夢でしかない。イケメンの年下なんて、私のことは、も、アウトオブ眼中ですよ。 もう、こうなりゃやけだわ、お腹いっぱいになって帰ってやれ、と、出される食べ物を一心に食べた。私はアルコールが全く飲めない体質だから、それも悪かったのだと思う。ノリではしゃぐこともできないなんて。気がつけば、2時間食べとおしだった。向こうの皆さんはよっぽど呆れたことだろう。 そんなことを思っていたものだから、私は気がつかなかった。栗色の髪をした青年が、じ~っと私のことを見つめていることに。 会計のときになり、男性は4500円、女性は2000円。はぁ、私、完全にもととったわね、まっ、いっかと心の中で苦笑していた。 「2次会は~?」 「カラオケにしようよ~」 なんて盛り上がってるところで、 「じゃあ、真澄、私はここで」 「つぐみさん、ホントに帰っちゃうんですかぁ?」 ほろ酔いかげんの真澄が抱きついてくる。 「うん、帰る。みんなによろしくね」 「はぁ~い、じゃあ、おやすみなさい」 「おやすみ。たのしんでね」 と言うと、駅に向かって駆け出した。他のメンバーにつかまったら面倒だ。 しばらく走ると、後ろからがしっと腕が握られた。なにっ?変質者? 「きゃ・・・」 「しっ、し~~っ!俺だってば、さっきまで一緒だった、神田翔太(かんだしょうた)!つぐみちゃん、足、速すぎ!」 「な・・・なんで、いるの?2次会は?」 「パス。こっちのほうが大事」
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