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「大事・・・って・・・?」
「ここで帰られちゃったら、連絡先交換できないでしょ?」
至極真面目な表情で言ったので、思わず吹き出してしまった。
「私と・・・?ほかにもいたでしょ?」
「みんな、俺ら誰でもいいみたいな感じだった。そんなのは・・・嫌だ」
「・・・でも、こんなオバさんと・・・」
「駄目だよ、つぐみちゃん、そんなこと言っちゃ。女性は、自分でオバさんと言い出した時からがオバさんになるんだよ。30はまだまだ若いよ」
・・・自分で言いだした時からオバさん。そうかもしれない。意識の問題かもしれないな、とちょっと思った。でも、相手は27歳の年下だ。どうしたって、感じてしまう。
「それにっ、今は27と30だけど、50年たてば、77と80だよ。たいして変わらないじゃないか」
「・・・って、そんな先の話」
「まじで惚れました。俺と、結婚前提でつきあってください」
え~っ、え~っ、え~っ、え~~~~~~~っ??
これは夢?
むにゅ~っ、と右手で右頬をつねっていたら、翔太君が大笑いした。
「ぷっ・・・ははははっ、なにしてんの?」
それはそれは、楽しそうに。それを見ていたら私まで楽しくなってきた。
「うふふふっ、夢じゃないかなぁ、って思って」
翔太君が真顔になって
「やっぱ、つぐみちゃん、可愛いよ。ちゃんと女の子だ」
「えっ・・・」
そんなこと言われたら・・・顔が紅潮していく音がする。
「で・・・返事は、YES?それともNO?」
「よろしくお願いします」
こんな私でいいのなら。
「いやったぁ~」
翔太君は、持っていたビジネスバッグを放り投げて私を抱きしめた。
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