たった5分でも君と話したい

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 短い手紙。  男は目の前の娘を見た。  息をするのも苦しかった。胸が熱く、いっぱいになる。  彼女はにこりと笑って、少し首を傾げる。 「ね? ママから手紙、きたでしょ!? ママ楽しいみたいだね!」 「…………ああ、そうみたいだね……」 「それを読んだら、私ももう悲しくなくなったよ!」 「……そう、か」  喉から絞り出した声は掠れていた。目の前が涙でひどくぼやける。  苺が書かれた便箋を再び見下げた。  ああ いつから妻は、こんなに字が幼くなったのだろう 「大丈夫、パパ、もう大丈夫だよ」  娘の気丈な声が耳に入る。 「大丈夫だから。もう頑張らなくていいよ。  一緒にハンバーグ食べよう」
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