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そして、俺は高校生になった。昔からいろんな話を聞かせてもらっていたおかげで、学校では逆に、俺が怖い話をする側になることが多かった。
修学旅行で沖縄に行ったときのこと。
よくある話だけど、夜はホテルの部屋で、友人たちとコイバナや怪談話で盛り上がっていた。沖縄が心霊的にも有名な場所だからか、特に怖い話が盛り上がり、俺は皆からせがまれるまま次々と怖い話を披露していった。気づけば消灯時間はとっくに過ぎ、時間は深夜の二時を回っていた。ふと、じいちゃんの言葉が頭をよぎる。信じていたわけじゃなかったけど、なんとなく気になった。
「なあ、他にはないのかよ」
友人の一人が、布団に寝そべりながら催促してくる。雰囲気を出すために、部屋の明かりはすべて消してあった。スマホをいじっている友人が一人いて、その光だけがぼんやりと部屋を照らしていた。
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