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「それじゃ、こんな話はどうかな――」
記憶を探りながら、俺がまた一つの話を始め、それが中盤にさしかかったとき、ふっ、と部屋が真っ暗になった。
「あれ?」
スマホをいじっていた友人の声。
「どうした?」
話を中断して尋ねる。
「いや、スマホが急に消えて……。間違えてボタン押しちゃったかな」
「おいおい、おっかねえことすんなよ。マジでビビったー」
別の友人が茶化した。そのとき、ドンドン、と力強くドアがノックされた。心臓が口から飛び出そうなほどびっくりした。
真っ暗な中だったけど、部屋にいる全員がドアの方に視線を向ける気配が伝わってきた。
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