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残された俺たちは、青ざめた顔でお互いを見る。
「どうしよう。俺、怖いよ」
一人が震えながら言った。
「なあ。お前、こういうのに詳しいんだろ。だったら、対処法も知ってるんじゃねえの?」
別の友人が、俺に聞いてきた。けれど俺が知っているのは、盛り塩みたいな、一般的な除霊法ばかりだった。
「こんな時間じゃ売店も開いてないし、塩なんて用意できないだろ。どうすんだよ」
「大丈夫、きっと先生の勘違いだって」
俺は友人を宥めながら、ふと部屋に備え付けられている時計に目をやった。
二時二十分。丑三つ時。俺が話をしたせいで、悪いものが寄ってきてしまったのだろうか。後悔しても、仕方のないことだ。
結局、朝まで俺たちは明かりをつけたまま起きていた。次の日は班ごとの自由行動だったので、事前に決めていた予定を変更して神社に行き、お守りを買った。
そのおかげかは分からないが、それからは変なことは起こっていない。
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