君と見た夢のような世界、それは切ないくらいに澄んで美しく

第一章・・・心が呼吸できる世界 （第二節・・・はじめまして）

「……ここは……？」

　真っ白な光の中を三十秒くらい歩き。
　そこを通り抜けると。
　そこには自然がとても美しく広がる世界が。

　そこは私たちが住んでいる地域(ところ)とは少しだけ雰囲気が違う。

　だけど、かけ離れているわけでもない。

「きれいな世界(ところ)だろ」

　那覇が穏やかな表情(かお)でそう言った。

「うん、
　きれいだね」

　緑が広がる。
　美しくかわいらしい花たちが咲いている。
　草たちが風に乗って穏やかに揺れている。

　そんな美しい自然。
　美しい世界。

　そんな美しさに瞬きも忘れて見入ってしまう。

「南瀬」

　そんなとき。
　那覇に呼ばれた。

　周りのことを忘れるくらい美しい景色を見ることに夢中になっていた。

　だから、那覇の声が聞こえた瞬間、ハッと我に返ったように那覇の方を見た。

「初めてこの世界(ここ)に来た人は、
　寄らなければいけないところがあるんだ」

「……？
　寄らなければいけないところ？」

「あぁ」

　一体どこに寄るのだろう。