第一章・・・心が呼吸できる世界 (第二節・・・はじめまして)

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「俺も初めてこの世界(ここ)に来たときは何が何だかわからなくて。  とりあえず探索でもしてみるかと思って適当に歩いていたら、  突然、女の人に声をかけられて 『初めての方はまずこちらへ』と案内されたんだ」 「そうなんだ。  那覇はこの世界(ここ)に来るのは初めてじゃないんだね」 「あぁ。  俺は一ヶ月くらいになる」  確かに、そうだよね。  那覇は躊躇しないで真っ白な光の中に入ることができた。  ということは、那覇はこの世界(ここ)に来ることは初めてではないということ、になるのかな。 「だから那覇は真っ白な光の中に入ること躊躇しなかったんだね」 「いや、俺は初めてのときも全く躊躇しなかったけどな。  逆に真っ白な光を見たとき恐怖よりも好奇心の方が勝っちまって。  だから迷うことなく真っ白な光(あの)中に入って行ったんだ」  ……なるほど。  那覇は勇気があるんだね。  私だったら。  一人で真っ白な光の中に入っていく勇気は全くない。 「じゃあ、行くか」  那覇はそう言って私の腕を掴んだまま歩き出した。  って。  そういえば。  那覇に掴まれたままだった、腕を。  どうしよう。  このまま何も言わない方がいいのだろうか。  それとも。  手を離してほしいと言った方がいいのだろうか。
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