第一章・・・心が呼吸できる世界 (第二節・・・はじめまして)

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「こんにちは、空澄(あすみ)くん」  ドアを開けた瞬間、視界に入ったのは。  受付台のようなカウンター。  そして、それ越しに一人の女性が笑顔で立っていた。 「こんにちは、惺月(しずく)さん。  あっ、ここにいるの新入りです」  那覇は惺月さんという女性(ひと)に私のことを簡単に紹介した。  那覇に私のことを紹介された惺月さんという女性(ひと)は那覇に向けていた視線を私の方に向けた。  そしてカウンターの中から出て来て私の目の前に。 「はじめまして、惺月(しずく)といいます。  よろしくね」  惺月さんはやさしい笑顔でそう言った。  惺月さん。  とても美人な女性。  上品で優しそうなイメージ。  長くてサラサラとした淡いブラウンの美しいストレートヘア。  純白なワンピースが眩し過ぎるくらいに美しい。  その姿は。  同性の私も見惚れてしまう。 「はじめまして、南瀬彩珠(あじゅ)といいます。  よろしくお願いします」  惺月さんに続き私もそう言った。  緊張しているからか。  惺月さんのように笑顔ではなく強張った表情(かお)になってしまった。  それでも惺月さんは、そんな私に笑顔を向けてくれている。 「そんなに緊張しなくてもいいのよ。  この世界(ここ)は心のリフレッシュ、そして回復するための世界(場所)だから」  私が緊張していること。  やっぱり惺月さんは気付いていた。  それから。  この世界(ここ)は心のリフレッシュと回復するための世界(場所)なのか……。 「それからね、  この世界(ここ)には特に決まった名前はないのだけど、  この世界(ここ)は心が呼吸できる場所であってほしいと思うの。  だから、名前を付けるのなら『心が呼吸できる世界』かな」  心が呼吸できる世界———。  心のリフレッシュと回復するための世界(場所)なら、その名前はピッタリだと思う。
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