降りしきる雨と幼なじみ

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一同が眉を寄せる中、奥の方から大きな笑い声が聞こえてきた。 「ハッハッハッハ。」 ガラッと障子が開き、男性が出てきた。 20代半ば…とでもいったところか。 「おもしれぇ姉ちゃんだな!」 男性は続ける。 「その制服から推測するに妹のダチってとこかな。」 よくお分かりで。 「ささ、上がって上がって。」 結城ちゃんの兄と名乗る人物は手招きしてそう言った。 いや、上がれと言われましても… 右側の男性のズボンには銃、左側の男性のポケットには短剣が入っている事に私は気づいていた。 私は心の中で叫んだ。 ここ、ヤクザ一家ですよね!? 降り出した雨、傘の無い私、寝ている後輩、そして…こちらを見ているヤクザ達。 「お、お邪魔します…」
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