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世の中は何もかもがオンライン。
でもそれは良いことなのだろうか?
これはこのコロナ禍の時代、問うべき問いだろう。ウム。
「――しかし、どんどんオンラインに慣れてしまうなぁ」
「私は慣れないですけどね、先生。どうにもオンラインは慣れないですよ、本当に」
「――まぁ、本当は僕もなんだけどね」
「どっちやねん!」
盛大なツッコミ。
オンラインでもツッコめる。
オンラインでもボケられる。
まぁ、昔からツイッター大喜利とか、人気だったしなぁ。
そういえば二十世紀の間に既にオンラインでの大喜利掲示板とかあったからな。
お笑いのオンライン化は今に始まったことじゃない。
「――ところで君はオンラインの何が駄目だと思うんだい?」
「駄目とは言っていないですよ? まぁ、良いところもありますけれど、強いて言うならば、オンとオフの切り替えが難しいところですかね? ――オンラインだけに!?」
ニヤリと笑う恩来院のアバター。
なお言い忘れていたが恩来院のアバターは美少女だ。
「いや、上手くないからね。でもそうかね。僕にはピンと来ないかなぁ。オンとオフの切り替わりか」
「はい。オフラインで出勤している時だと『行ってきまーす』で外に出て、オンとオフが切り替わる感じがするんですけどね。あとオフィスの空気? 家にずっといると、どうもね」
「なるほど。ところで恩来院くんは、いまオンなのかねオフなのかね?」
「あ、いやだなー。先生! 先生とお話ししているということはオンに決まっているじゃないですかー」
「……しかし君。VTuberみたいなアバターに隠れているから気付かれていないと思っているのかもしれないが、君、今、お酒飲んでるよね? 『ほろよい』? さっきチラッと見えたんだけど……?」
「いやだなーー!! 先生! 僕が先生と仕事の話をしている時にお酒を飲むなんてそんなことあるわけ――」
「――ないの?」
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