あなたの思い、私の思い

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あなたの思い、私の思い

 過酷というか充実したというか、事務職のはずがなぜか肉体的にも普段より疲れた気がした一週間だった。  だが、誰も手がつけられないでいた資料室の整理は少しずつ進んでいる。  まずは機種ごとにファイルを分け、ラベリングと中身の確認をする。そうしてアルファベット順にすればいいと思うのだが、量がすごくてとても一気には終わらない。  あれを来月中にとなると毎日コツコツやるしかなさそうで、日々の業務はきりきりやらなければ追いつかないな、と考えているうち、美保との待ち合わせ場所であるエントランスに到着した。  ついになのか、とうとうなのか、あの二人にも恭介さんのことを紹介する日がやって来たのだ。  と言っても恭介さんはやはり、まだ帰り支度などできるわけもなく残っていて、「お先に失礼します」と声をかければ、課長の顔で「ああ、お疲れ」と一言だけ返されたのだが。  なんだか急にドキドキしてきた。  その恭介さんを友人たちに紹介するとなると、どんな質問をされるかもわからないし、嘘が見破られるんじゃないかと不安になってきて。 「ひなたっ」 「はっ! びっくりしたあ」 「驚きすぎ。お待たせ、行こ行こっ」  ぼんやりしていて必要以上に驚いてしまったが、美保が気にも止めず歩き出したのを見て慌てて後に続く。
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