マリッジピンク

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 そのままドキドキしていると、また目が合った。 「おいで」  そうやって甘やかすように私を呼ぶのは、大好きな人。  伸ばした手で捕まえられて、ほんの少しだけ強く引き寄せられた。その力強さに、決して強引なことなんてしないだろう恭介さんの男の部分を感じてゾクリとする。  胡坐をかく恭介さんの前まで(にじ)り寄れば、ズルズル下がったスカートのウエストから手を入れられてキャミソールも脱がされて、中途半端なところに纏わりついていただけのスカートもするりと下ろされた。  上下の下着にストッキングを履いただけのなんとも恥ずかしい格好になった私は、恥ずかしくて膝を折って座り、片腕で胸を、もう一方を太ももに置く。  こんなんじゃ、全然隠せないけど。 「ひなた、かわいいよ」  上半身を隠したつもりの腕を掴んで引き寄せ、そこに口づけてくる。  じっと見据えられたままでそんなことをされたら、これからされるだろうもっと恥ずかしいことを予感して体が震えた。  抱き寄せられ、キスをして、二人して横向きに倒れ込む。そのあとはもう、全身にキスを施されて——。  全部に唇でしか触れないのかと思うような愛撫は私をおかしくさせた。  唇が胸にあれば手は下肢を撫で、秘所にあれば手は胸に伸びてくる。穿つとなれば両手であちこち弄られて、唇はやっぱり私のそれを塞ぐのだから、冷静でいられるわけがなかった。  私が何かをする暇なんて全く与えられずに、いや別に、大したことはできませんが、声を上げるのとしがみつくのとで忙しく、最後の方はもう、塞いでもらえなくなった口からダダ漏れの声すら掠れて。  たっぷりと、愛されたと思う。  体を起こそうと立てた膝が震えていたのがその証拠だ。  だから、水を持って来てくれた恭介さんを、ベッドに座ったまま軽く睨んだ。  だって、ちょっと笑いながら、「大丈夫か?」なんて訊くのだから。
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