マリッジピンク

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「うわあ……ぇ……」 「……おお」  透けてる。  生地のほとんどが淡いピンクのシースルーで、所々にヒラヒラしたレースが施されているから、可愛いは可愛い。  でもなんか、違うような。 「これ……」 「エプロンにしては刺激的だが、悪くないな」  思わず固まってしまったところに背後から伸びてきた手。その手が、エプロンにしては薄く、どうしてもエロさの否めないそれを、私の手からゆっくりと丁寧な仕草で奪い取る。  そうしてもっと高くに掲げてしまったせいで、ヒラヒラ感とか透け感とか、余計に丸わかりだ。 「間違えたんですかね、ははっ……」  冷や汗が出る。こんなものを二人で開けさせるなんて、一体どういうつもりだったのか。 「いや、どうかな。でもいいんじゃないか? ひなたに似合いそうだ」 「にあっ?! そ、想像しないでっ!」 「じゃあ実際に着て見せてくれ。それなら想像しないで済む」 「うそおっ?!」 「せっかくのプレゼントじゃないか。袖も通さず蔵に入れるのは申し訳ないだろう」 「うっ、それはまあ……いや、だからって着ませんよ?」 「ん? どうして?」  振り返らなくても、恭介さんのニヤニヤが声に出ている。 「今日はもうムリ!」 「ほお、今日はもう何が無理なんだ?」  ゆっくり下げた腕で私を囲って、そのままぎゅっとされてしまった。  ニヤニヤも増長しているし、完全な失言だったが、どう切り返すか。
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