マリッジピンク2

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 買ってきたお蕎麦を食べ終わり、食後のコーヒーを頂いている。でも今日は、淹れてもらったんじゃない。 「どうですか? おいしい?」 「ん。うまいよ」  私の淹れたコーヒーを口にしてそう感想をくれたのは、大好きな旦那様だ。 「ふふん」  その旦那様に褒められたら、すぐその気になってしまう。単純な人間だ、私は。 「私、これからいっぱいがんばりますね!」 「わかったわかった。がんばるのをやめろとは言わないが、俺に頼るのをやめろとも言わないぞ?」  伸びてきた片手が私の頭を撫で回した。 「ん?」 「尽くしたいタイプなのかもしれない。親父もそうだっただろ?」  確かに、浅井家に挨拶へ行った時、動き回っているのは義母でなく義父だったような。  恭介さんは最初から、何もできない私に文句ひとつ言わなかったし、何かしてくれても恩着せがましいところは一切なかった。  そういう家系?! 「さすがに小さい頃の世話は母がやってくれたような気もするが、うちでは親父がいろいろやるのも当たり前で、気づいたら自分もそうだったというか」 「お義父さん譲りだったんですね。ふふふっ」 「そうらしい。久しぶりに実家へ行って気がついた」  照れたのか、残りのコーヒーを飲み干した恭介さんが立ち上がった。 「風呂に入ってくるよ」 「あ、はーい」
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