5221人が本棚に入れています
本棚に追加
/246ページ
差し出した手を引かれ、寝室に移動した。私をベッドに座らせると、前髪を避け、おでこにキスをくれる。
なんだかとても照れくさかった。
立ったまま腰を屈めた恭介さんは、ゆっくりとした動作で、瞼や鼻、頬にキスを落としていく。
緩慢さと、口づけの度に聞こえる濡れた音に、官能のスイッチを押された。
耳の辺りにあった手が後頭部に回り込んだら漸く唇に触れられ、啄むだけのキスが何度も繰り返される。焦らされているのかと思い目を開けると、恭介さんの瞳に私が映っていた。
ふっと微笑まれ、また唇が重なる。
目を閉じた。
押し当てられた唇は離れず、重なったところをそのまま食むようにして軽く吸われる。自然と開いた口の中に恭介さんの舌がそろりと侵入してきたら、触れたい気持ちが抑えられなくて自分からも舌を伸ばしていた。
恭介さんがどうやって舌を動かしているのかは全くわからないけれど、キスがこんなに気持ちいいと感じられたのは、恭介さんが初めてだった。
本当に、蕩けそう。
夢中で舌を絡め合っていると、体重をかけられて背中がベッドに沈んでいく。でもキスは続いていて、さっきより濃厚に舌を絡め取られたかと思うと優しく吸い上げられて、下腹部が疼く。
最初のコメントを投稿しよう!