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「大丈夫、全部好きなんだ」
「ん……」
両の手はまだ頭上で纏められたまま、唇に落とされたキスを受け止める。
恭介さんの右手がベビードールの胸元を這い、レース越しに突起を押し潰す。ゆるゆると捏ねるような動きをする手のひらのせいで出るくぐもった声は、全て恭介さんが飲み込んでいく。
その手が胸から離れ、下肢の間に到達して、二、三度、薄い布の上を往復した。
「ひなた」
呼ばれて思わず目を開けてしまえば、鋭い奥二重に捕まった。
「濡れてる」
「や、言わないでください」
わざわざそれを言うために呼んだのか。
「ほら、下着が肌に吸い付いてしまうくらい」
指で小さな布の真ん中を擦りながらも目は逸らされないから、こっちはもうどこを見たらいいのかわからなくて、与えらえる刺激に没頭するように目を閉じた。
「んん、ん」
だけど、緩く緩く与えられる刺激は心地いい反面、駆け抜けるような刺激には程遠い。もぞもぞと腰を捩っても、解放されるには至らない。
たまらず恭介さんを呼んだ。
「恭介さん……」
懇願の意味を込めて見つめれば、口元が僅かに緩んだ。
「脱がせてほしい?」
問われて、コクリと頷く。
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