5222人が本棚に入れています
本棚に追加
/246ページ
左右を紐で結んだだけの薄い布は、簡単に下腹部から離れていった。覆うもののなくなった場所を、恭介さんの指が滑る。
「ああ……」
恭介さんの言った通り、そこはもうたっぷり蜜を零している。そのせいでヒリつくこともなく、擦られても甘い痺れが訪れるだけだ。
けど、体なのか記憶なのか、あの感覚を求めている。覚えてしまった快感を欲しがって。
「んん」
もどかしくて揺れる腰。
唇を塞がれていない今、その姿をきっと、恭介さんは見ているのだろう。
そう思うと恥ずかしくて、擦られるたび聞こえる水音が余計耳についた。
不意に口づけがひとつ落とされて、押さえられていた両手が解放された。そうして恭介さんの気配が下がっていき、両足を左右に大きく開かれる。
「ああ！」
待ち望んだ快感だった。
思わずあげてしまった声が恥ずかしくて、慌てて唇を閉じた。けど、そこを舐めながら溝にあった指を推し挿れて入り口付近を刺激するから、気持ちがよくて嬌声も堪えきれない。
「ん、んん、んあっ」
自由になった腕を口の上に乗せて強く押し付けた。そうでもしないと耐えられないような喘ぎは、およそ自分のものとは思えない気がして。
外と中とを同時に刺激され、もうわけがわからない快感に圧倒されているのに、恭介さんの手は器用に胸の先端を捻り、絶妙な力加減で擦ってくるから、私は体を強張らせて達するしかなかった。
「っあああ！ ……はぁ、はぁ……ん、ん」
それでもまだ中にあった指は引き抜かれず、動き出す。
最初のコメントを投稿しよう！