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「ひっ、ちょっとダメッ、そんなああ、あん」
「痛いのか?」
首を横に振った。
そうじゃない。そうじゃなくてツライ。
さっきのイイところを圧してくるから、達したばかりなのに、また善くなってしまって。
「だったら遠慮なく感じてくれ。尽くしたいタイプなんだよ」
「そんなあああ、んんっ」
返せるのは喘ぎだけで、会話になんてならない。
こんなに気持ちいいことばかりされておかしくなってしまいそうなのに、煽るような責め方でないからか愛を感じる。
だからなのか、また目の前に迫りつつある快楽を貪ることしかできなくなって、浅い呼吸を繰り返しながら、何かに縋りたいと手を彷徨わせる。
それで捕まえてくれた恭介さんの手が愛しい。優しく強く、捕まえていてくれるから。
そんな風に心の中までも満たされて感度が高まったのか、あっという間に二度目の頂点へ押し上げられてしまった。
無重力の場所へ放り出されるような快楽に喉を反らせ、喘ぐ。
その浅い呼吸のまま、恭介さんを求めた。
「恭介さん、もうっ、早く」
すると掠めるようなキスをくれ、ベッドの上部に手を伸ばす。
その腕を、咄嗟に掴んで止めた。
「恭介さんっ、恭介さんの子がほしいって、言ったじゃないですか。夫婦だし、私たち」
見上げていた喉仏が上下して、そろりと体が戻って、鋭い中に優しさの滲む奥二重が、真上から私をじっと見下ろした。
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