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「……大切にする、ずっと」
真上から見下ろす目は真剣で、本当にそう思ってくれるんだと、疑いなく信じられるものだった。
「嬉しい。幸せです、私」
だから難なく本音が零れ出る。
またキスをもらって、幸福感を噛みしめた。と、緩いテンポで体が揺れ出す。
何にも遮られていない分、中を擦られる感覚がダイレクトに伝わってきて、それに、感じすぎて溢れ出したものがすごく淫らな音をたててしまっているのも恥ずかしい。
恭介さんにも絶対聞こえているだろう。唇で嬌声を封じ込められているから、余計にその音が耳について仕方ない。
次第に体の揺れるテンポは速まり、淫らな音もひっきりなしになってきた。
苦しい。
快感と幸せとがぐちゃぐちゃに混ざり合ったら、こんなに激しい愉悦に飲み込まれてしまうんだ。
夢中で恭介さんにしがみついていたら、塞がっていた唇が突然解放された。
「んあああ、あ、あん」
「悪いな、もう限界だ」
そう耳元で訊こえて、首筋に吸い付かれる。
「すきっ、恭介さん」
そう返した途端、抽送が今まで以上の速度に変わる。
しがみついた背中は汗ばんでいて、そんなことを嬉しく感じた。
体が熱くて呼吸も覚束なくて、その状態でスピードを上げて深くまで突かれたら、あっという間に視界が白んだ。
そのビクビク震える体をさらに突き上げてくるから、休む間もなくまた絶頂がやってくる。
「ああああ、あ、あ、また、やああっ!」
その時、繋がった場所でビクビク震えるものの存在を感じ取り、恭介さんが放ったのだと悟った。
心臓はバクバクして飛び出しそうだし、体もビクついている。二人とも荒い呼吸を繰り返していて、恭介さんに抱かれた私の背中も汗で濡れていたのだと気がついた。
ものすごい開放感と、とにかく幸せな思いだけがあり、目を閉じると、何かが煌めいたような気がした。
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