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番外編
目を覚ますと、恭介さんがこっちを見つめていた。
「おはよう」
「おはようございます」
目を擦りながら言うと、大きな手に前髪を避けられ、おでこに唇が触れた。
「別に敬語じゃなくても構わないぞ? 夫婦なんだ」
「ああ、そっかあ。へへ、照れますね」
この優しい眼差しは私だけのもの。なあんて思ったら余計に照れる。
「……さ、食いしん坊のために朝飯でも作ろうか」
「うん……あ!」
「朝から元気な声だなお前は」
「私が作る!」
「何を?」
「ごはんです!」
私がそう言った途端、恭介さんはやっぱり驚いた顔をして、だけどすぐ破顔した。
「じゃあ一緒にやろう。新婚ぽくて楽しそうだろう?」
「へへ、はい!」
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