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「ふふっ」
「今度はどうした?」
こうやって、ちょっとした言動でも見落とさないで拾い上げてくれるこの人が大好きだ。
ああ、なんていい人と出会えたんだろう!
そう思って、ゆるゆるになった表情のまま恭介さんを見つめて呟いた。
「すき」
合っていた目をわざと逸らして、ああ、なあんてクールに答える恭介さん。
「好きです、恭介さん」
自分の気持ちを伝えることに制約はなくなったのだから、言いたい時にちゃんと伝えていこうと決意した。
「ああ、俺もだよ」
「きょぅすけさん……」
ちょっと甘えた声なんか出して呼んで、じっと視線を送る。
もちろんキスを強請っているのだ。
それがわかるのだろう。首を左右に動かし辺りを確認した恭介さんは、触れるだけの可愛いらしいキスをくれた。
「むきゃっ!」
「ははっ、何だその反応は」
「超幸せのむきゃ、です……ぐうう〜」
「さて、お腹も満たして幸せにしてやらないとだな」
「あはは、結局そうなっちゃいますかねえ。すみません、色気なくて」
「こんなところで色気を出されても困るから、そういうのは家でたっぷりよろしく。さ、行くぞ」
「は、はぃぃ」
片手でストールを押さえ、片手は恭介さんと繋いで駐車場へ向かった。
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