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「っ、ほえっ? うわああっ」
体が持って行かれる。
びっくりして目を開けて、慌てて掴まったのは恭介さんの、どこ?
いきなりのことに事態が飲み込めず慌てたが、背中と太腿裏に恭介さんの腕があるのを感じ取って、抱き上げられているんだとわかった。
けどお姫様抱っこなんてロマンチックなものじゃなくて、米俵のように担ぎ上げられているというか。
いつもよりずっと高い位置からいろんな物を見下ろしているのが不思議な感じだし。
とにかくこの状況が恥ずかし過ぎて何も言えなくなって、恭介さんの肩口に顔を埋めた。
「いい子にできるじゃないか」
低音がやけに耳元で響いて、ゾクッ、官能的な信号になって届けられるから、またドキッとさせられて。
で、なんで担ぎ上げられたんだろう。
くるりと視界を反転させられながら考えていれば、さっきまで座っていたソファーがどんどん遠ざかっていくのに気がついた。
恭介さんが向かっているのはベッドルームだと理解し、カアーッと顔が熱くなる。
うそ?! このままじゃ、浅井課長と一線超えちゃう!?
それってまずいよね?
まずいに決まってるじゃない、ひなた!
いやでも、浅井課長くらいの年齢なら、こんなの普通のことなの? 夫婦らしくって、もしかしてそういうことも含まれてたとか?
えー、でも、そんなことになったとして、明日からどんな顔でいたらいいかわからないよ。
どうしよどうしよ。嫌いとかじゃないけど、やっぱり普通に考えて上司と体の関係とか良くないと思います!
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