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俺は、ポンとおすすめに出てきたそれをいぶかしげに眺める。
某、青い鳥のコミュニケーションツール。仕事の前、俺はニュースと共にこのサイトを調べるのがお決まりだった。だから、すぐ開けるようにブックマークもしてある。
「妙な投稿だなー」呟く。そのつぶやきは、たった一文。だというのに、沢山の「いいね!」が付いていた。もしこれが冗談だとしても、面白い。俺も「いいね!」しておく。同僚に呼ばれて、俺はスマートフォンをしまい込んだ。
『@××_××××
俺の家に殺人兵器がいます』
──22万「いいね!」
最後にもう一度だけ見る。何故か、何かが引っ掛かったのだ。「さて、行くかー」そういう諸々の気持ちも全部振り払うために、俺は両手でぱちんと頬を叩いた。
これで家に帰れる。これで、この長い長期出張も終わりだ。失敗は許されない。俺はベテランの先輩に電話をかける。プルルルル、という音のあと、そこから聞こえた、余裕たっぷりの「はいはい」の声に告げた。
──任務開始。
今より、殺人兵器を投入します。
ターゲットの位置は二階の廊下、100m先。
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