俺の家に殺人兵器がいます

5/5
前へ
/5ページ
次へ
 俺は、ポンとおすすめに出てきたそれをいぶかしげに眺める。  某、青い鳥のコミュニケーションツール。仕事の前、俺はニュースと共にこのサイトを調べるのがお決まりだった。だから、すぐ開けるようにブックマークもしてある。  「妙な投稿だなー」呟く。そのつぶやきは、たった一文。だというのに、沢山の「いいね!」が付いていた。もしこれが冗談だとしても、面白い。俺も「いいね!」しておく。同僚に呼ばれて、俺はスマートフォンをしまい込んだ。 『@××_××××  俺の家に殺人兵器がいます』       ──22万「いいね!」  最後にもう一度だけ見る。何故か、何かが引っ掛かったのだ。「さて、行くかー」そういう諸々の気持ちも全部振り払うために、俺は両手でぱちんと頬を叩いた。  これで家に帰れる。これで、この長い長期出張も終わりだ。失敗は許されない。俺はベテランの先輩に電話をかける。プルルルル、という音のあと、そこから聞こえた、余裕たっぷりの「はいはい」の声に告げた。 ──任務開始。   今より、殺人兵器を投入します。   ターゲットの位置は二階の廊下、100m先。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加