第2章

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第2章

チュンチュン さえずる雀の声で目が覚めた。 見慣れない天井、慣れない布団の感触……昨日の夜のことは夢じゃなかったんだと思う。 正体不明の何かが、俺の部屋を占拠しているという事実は、多分、本当なんだ。 いや、俺の勘違いであって欲しいけど……。 朝イチで高級車を飛ばして俺を助けに来てくれるはずの、ナオの父親が俺の部屋を見てくれれば、何もかもハッキリして、何もかも解決するはずだ。 俺はナオが用意してくれた温かい朝食をもそもそ食べながら、ナオの父親の車がアパート前に止まる音を聞きたくて外の様子を張り詰めた気持ちでうかがっていた。 「そんな深刻になるなって……」 ナオが食後のコーヒーを差し出しながら俺に言った。 俺はコーヒーを無言で受け取った。手のひらにマグカップの熱が伝わって心地よい。 「なんかさ、夢か幻覚であってほしいと思うんだけどさ。警官を呼んじゃったし。警官に言われた言葉が幻覚じゃないことを証明してるし。ナオだってスマホの画面越しにTシャツが浮いてるのを見てるだろ? ……俺の部屋になんかがいるって思ったら、やっぱり怖いよ」 俺はコーヒーを啜った。 「俺、ビビり散らかしてカッコ悪いな……」 「誰でもパニックになるさ。寺の坊主の息子にでも生まれない限りはさ」 ナオが柔らかい笑みを浮かべ肩を竦めて言った。 クシャッと俺の頭を撫でてくれた。 「うちの親父、お祓いマンとしてはかなり優秀だから、安心しなよ」
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