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 天使は最初、三十人くらいいたんです。私が怪我をした時だけに人数が減っていきました。こけて擦りむいたときは二人。靴箱に入っていたカッターの刃で指を切った時には三人。車にはねられて大怪我した時は五人。残り二十人くらいになったときに気づきました。 『この天使は、私を守ってくれているんじゃないの?』  思った通りでした。天使がいる間は、私はどんな怪我をしても死にませんでした。海で足を引っ張られ、溺れかけたときも。誰かに背中を押され、電車にはねられた時も。頭上のベランダから植木鉢が落ちてきたときも。その度に天使は消えていきましたが…この子達は、私を守ってくれる守護霊なんだ、って思いました。
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