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「ウーバーでも……」
「外の空気吸いに行こうぜ。だいぶ息詰まってるだろ」
雄貴さんはニヤッと笑って、デスクの上に置いてあった車の鍵を翳して見せる。
「気分転換、気分転換! その方が追い込みできるからよ」
「そうですね」
このままやってても、効率落ちるだけだし。お誘いに乗ってみますか。
私が頷くと、雄貴さんは立ち上がって事務所のドアに向かう。私は慌ててトートバッグを取って追いかける。
事務所が入っているビルの裏手の駐車場で、雄貴さんの車に乗せてもらう。もう何度も乗ってるんだよね、この助手席。でも、このマスタングは助手席と運転席の距離が遠くて、ちっとも縮まらない。
「ミニストップ行くぞー」
「えっ? ミニストップ?」
ファーストフードとかコンビニくらいかなとは思ってたけど、敢えてのミニストップ? いやいや何で? セブンとかファミの方が近くにいくらでもあるし……わざわざミニストップってセレクト……何故。
戸惑う私にはお構いなし。マスタングは、ちょっと調子悪そうなうるさいエンジン音を立てて動き出した。
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