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あの頃
「おかえり。」
「うん、ただいま。あれ?今日早くない?」
私が帰ると、夫が仕事から帰ってきていた。
「今日は早く帰れた。」
「そうだったんだ。」
夫は付き合ってる頃から、ラインの回数も少ないし、報連相が苦手だった。
そういえば、私もあの人に報連相ができていないって怒られたことあったな。
「犬飼さんだっけ?なんの用だったの?」
「あ、結婚のお祝いにってお菓子持ってきてくれたの。」
私はカフェで犬飼さんからもらった某有名焼き菓子店の紙袋を机の上に置いた。
「結婚してもう1年なのに今更だね。」
「…犬飼さんもいろいろ忙しかったみたいだよ。」
正直、犬飼さんと話が出来て、ほっとした気持ちもあった。
私のせいで主任と犬飼さんが別れてしまったらどうしようと
心配していた気持ちもあったから。
私は夫と話しながらも、頭の中は犬飼さんと話した内容が頭の中をぐるぐる回っていた。
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