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今夜、ルナの小学校では、クラスごとに集まって、ルイ・マックールの弟子とり見学をすることになっている。
集合場所は、弟子とり会場――つまり、ルナの通う小学校のグラウンド。
ただし、今日だけは登校時間がいつもと正反対。ルイ・マックールの弟子取りに合わせて、真夜中に登校する。
ルナの友達はみんな張り切って、お昼ごろから学校へ行こうとルナを誘ったけれど、ルナは一緒に行くのを辞退した。
ルナはルイ・マックールの弟子に立候補しないから、遅くとも三十分前に着けばいい。みんなの待ち合わせ時間は、ルナにとってはあまりにも早すぎるから。
そんなわけで、ルナはおうちで家族とのんびり夕食をすませてから、家を出る前に持ち物確認をもう一度だけして家を出た。
「いってきます」
ぱたんと玄関のドアを閉めて、さあ出発というところで、ルナは友達といっしょに行かなかったことを真っ先に後悔した。
夜の通学路は、ルナの想像以上に真っ暗。
この辺りは街灯が少ないことをいま初めて知った。
おまけに、いつもと違って誰ひとり歩いていない。
明るい時間には気にもしなかったことが、今だけはすべて心細い。
ルナは家の前の暗くて細い道から曲がり角まで、とぼとぼ歩いた。
「わあ……!」
曲がり角を曲がると、見たこともない優しい光であふれていた。
ちょうど、ドッジボールくらいの大きさの光の球が、道なりにふわふわ、ふわふわ。いくつも浮かんでいる。
ボランティアの魔法使いの人たちが浮かせてくれた、光の魔法だった。
(すてき……。まるで魔法の世界にいるみたい……)
これなら、ちっとも怖くない。
ルイ・マックールの住んでいるところでは、毎晩こんなふうにやさしい色のライトが点っているのだろうか……。
ルナは幻想的な小径に変身したいつもの通学路に立ち止まり、しばらくの間うっとりしていた。
その頭上を、ニッコリ顔の魔法使いを乗せたほうきが、静かに夜風を切って通り過ぎた。
彼らも今日なら、堂々と魔法が使える。
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