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気持ちいい。
明るい場所で暖かい。
柔らかいいい香りのものに包まれて。
ここは天国か…
死んだから。
地獄に行く程悪いことはしてないはず。でも天国に行ける程いい人間ではなかったと思う。
でもここは好きだ。
気持ちいい。
そう思ってから、はっと目を開けた。
ここは何処?
恐る恐る顔を上げると、ベットに横になっていた。
広い、たぶんキングサイズ、クリーム色のカバーの羽布団に包まれていた。
ゆっくり体を起こすと、オーバーサイズのスエットの上下。
見覚えのない洋服、見覚えのないベット、そして部屋。
ベットから下りて裸足で引戸を開けた。
そこはウォークインクローゼット。
男物の洋服が掛けられていた。
ピタピタとその反対側のドアを開けた。
途端、お腹の虫が鳴いた。
「腹へったのか」
男の低い声にびくりとからだが跳ねた。
「そこに座って待ってろ」
ピタピタとそこへ入っていく。
ここはリビングダイニングだった。
知っているリビングダイニングの倍の広さがあったが、その奥にキッチンがあるらしい。
そこから男の声がしたようだ。
座れと言われたが、ダイニングテーブルの椅子か、ソファーかどちらに座ればいいか少し迷う。
でも腹がへったかと聞いたのだからとダイニングテーブルの椅子を引いて座った。
キッチンの方からガチャガチャと食器を出している音がする。
ドアを開けた途端に鼻と空きっ腹を刺激したいい匂いが強くなった気がする。
自分の腹を見下ろし、右手で撫でた。
たぶんもう少しでエサをやれるぞ。
自然に口角が上がった。
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