0人が本棚に入れています
本棚に追加
始まり
天気がいいなぁ。
原っぱも気持ちいいんだけど、今日はそこの木の枝で昼寝しようかな。
ん? 誰か来たぞ。
空色だ。空色の髪の毛の男の子。少年って感じだな。目の色は菫色。綺麗だなー。あと、小さな女の子と、鎧着た背の高いやつ。
どんどん近づいてくる。
オイラに何か用か? あぁ。オイラはこの辺に住んでる地霊で、リトってんだ。
レシェスさまが言うには、ノームっていう種類らしいぞ。
鏡が曇って困ってたから会いに来た? 何だそりゃ?
それと、銀の龍についても何か知らないか。だって?
知らないかも何も……。
オイラ…オイラ……。
うぇえ。うぇえぇぇえ。うわあああああああああぁ………ん。
オ、オイラ、一度だって忘れたことないよぉ! レシェスさまぁ……。
――うぅ…ごめん。つい、涙が止まらなくなって。
え? あ、うん。そうそう。レシェスさまは銀の龍だったんだよ。
……何処にいるのかはわかるんだけどわかんないんだ。世界中探しまわったよ。
今までレシェスさまと一緒に歩きまわったところは、全部回ったけど、何処にでもいて、どこにもいない。
行けるところはほんとに全部行ったから、あとは行けない場所くらいさ。
オイラあんまり力強くないから、荒れた大地を肥沃な大地に変えたり、島を幾つか復活させるくらいしか出来なかった。壊れた場所もあちこち直して回ったよ。
だから、居場所のことは何にも情報持ってないね。
ん? レシェスさまと一緒にいた時の話を聞きたい?
んー、いいけど……。
ちょっと長くなるけど、大丈夫?
うん、そっか。わかった。
どこから話そうかな。
オイラが拾われたあたりから話して、レシェスさまから聞いた話も混ぜて話すことにしよう。
その方がわかりやすいかな。
最初のコメントを投稿しよう!