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「……あ、そうだ!イカ玉が桜ちゃんのお家にいくこと、疾風くんにメールしよーっと。ずっと心配してくれていたから」
キッズケータイを取り出し、ツバメちゃんが慣れた手つきで操作する。
ちなみに疾風くん、というのはツバメちゃんの彼氏。
小学5年生のツバメちゃんは、すでに彼氏がいるのだ。
ツバメちゃんがメールをしているのを見て、私もお兄ちゃんのことを思い出した。
「……ツバメちゃん。イカ玉の写真、お兄ちゃんに送ってもいい?」
「お兄ちゃんって、望ちゃん?もちろんいいよ!望ちゃんにも会わせてあげてね」
「うん」
私はイカ玉の写真を撮ると、特に可愛い数枚をお兄ちゃんにLINEで送った。
「猫を飼うことになったよ」
という一文もつけて。
……どんな返事がくるかなあ。
「……桜ちゃんと望くん、相変わらず仲いいんだねー」
ナツメさんがお父さんとお母さんにそう話しかけた。
「まあな。あの二人は兄妹みたいなもんだから」
「えー、わかんないよ沢渡。幼なじみは兄妹とは違うからさー」
「ふふ。ナツメちゃん、幼なじみと結婚したもんね」
「いやいや。そもそも桜はまだまだ子供だからなー」
……もう。
お父さんったら、なんて話をしているんだ……。
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