Nice to meet you,イカ玉

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しばらくしてからお兄ちゃんからLINEが返ってきた。 「マジで」 「いいじゃん」 「ちゃんと世話してやれよ」 ……おお。 お兄ちゃんにしては饒舌なLINE。 いつもは用件だけ、単語だけ、みたいな感じだからな。 「今度、見に来ていいよ!」 と返信。 すると今度はすぐに通知音が鳴った。 「今はいい」 「猫がお前ん家になれるまでは行かない」 「猫のストレスになるし」 なんだかんだ真面目なお兄ちゃんらしい返事だ。 「じゃあ、猫ちゃんが慣れてきたら見に来てね」 そう送ると、さっきよりも長い間が空いてから 「わかった」 と一言。それだけ。 「……ふふっ」 「桜ちゃん、嬉しそう。望ちゃんのLINEそんな面白いの?」 「え、ううんっ。別に普通だよ」 「そっかー。あたしも早くスマホにしてLINEしたいなー」 「そうなったら、LINE交換しようねツバメちゃん」 「うんっ」 ツバメちゃんがにっこり笑うと、イカ玉もニャアと鳴く。 ……小さい猫ちゃん。 新しいお家でしばらく心細いかもしれないけど。 私たち、みんなあなたを歓迎するから。 ずっと仲良くしようね。 「……イカ玉ちゃん、沢渡桜です。よろしくね」 イカ玉は少し長くニャアアと鳴いて答えてくれた。
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