前途多難な、early summer

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ストーリーは、中学校の天文部を舞台にした青春もの。 星の子供が学校に落ちてくるという、ちょっとファンタジーの要素もある。 私の役は、主人公の親友。 美人の優等生で、主人公からは頼りにされると同時に嫉妬されている。 ……でも実はそんな親友にも悩みがあって……という役柄だ。 出番はそれほど多くないけど大切な役だよ、と浅間先輩は言ってくれた。 私自身、台本を読んだだけでとてもワクワクドキドキした。 ……私の演じる役があり、私の台詞が書いてある。 当たり前のことだけど、とてもすごい。 頑張らなきゃ。 ……でも。 その前に期末テストなんだよな……。 この前中間が終わったと思ったのに、もう期末とは。 しかも今回は五教科のみの中間と違って、保健や音楽など九教科もある。 中学生ってもしかしてテストばかりしているのだろうか。 小学校が懐かしくなってきた。 「はあ……」 情けないとは思いながらも、ついついため息がもれてしまう。 「……沢渡さん、どうしたの?」 優しい声がかけられた。 顔を向けると茶色い髪。 美作先輩だ。 最近美作先輩はほぼ毎回部活に出ている。 少し前までは全然来ていなかったのに、ちょっとビックリだ。
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